Three Things to Check Before Going Global
海外展開の前に確認したい3つのこと
Robert Hartley / 今西 卓 · HGGC
This article is currently published in Japanese only. Happy to walk through it in English on a call — or read it as a sample of our native Japanese writing.

「そろそろ海外も視野に入れたい」と考え始めたとき、最初に出てくる打ち手はたいてい「サイトを英訳しよう」「海外向けの広告を出そう」です。SaaS、D2C、サービス業、いずれも同じです。
ただ、海外向けサイトのレビューをしているとよく感じるのは、その手前の土台が抜けたまま走り出してしまうケースが多いことです。翻訳にも広告にも費用がかかります。先に確認しておけば防げたはずの空振りは、できる限り減らしたい。この記事では、着手前に確認したい3つのことを、セルフチェック用の質問リストとともに紹介します。
1. 発見から問い合わせまでの「動線」が存在するか
海外の見込み客が御社を知り、興味を持ち、問い合わせる。この一連の流れが途中で切れずにつながっているか——これが最初の確認事項です。
よくあるのは、英語ページ自体は存在するのに、動線のどこかで日本語に戻ってしまうパターンです。英語のサービス紹介ページから問い合わせボタンを押すと日本語のフォームに飛ぶ。ダウンロード資料が日本語のみ。フォームの確認画面や自動返信メールが日本語。海外の読者にとって、これは実質的に「行き止まり」です。
もうひとつ見落とされがちなのが「発見」の部分です。英語ページがあっても、検索エンジンに正しく認識されていなければ、そもそも見つけてもらえません。
セルフチェック
- 英語で社名やサービス名を検索したとき、英語ページが検索結果に出てきますか
- 英語ページから問い合わせ完了まで、日本語の画面を一度も経由せずにたどり着けますか
- 問い合わせフォームの項目・エラーメッセージ・自動返信メールは英語になっていますか
- 「ふりがな」など、海外の利用者には入力できない必須項目が残っていませんか
- スマートフォンで同じ動線を最後まで通せますか
実際にやってみると、最後まで通らないサイトは珍しくありません。まずご自身で一度、海外の見込み客になったつもりで通してみてください。
2. 英語コンテンツが「翻訳」ではなく「伝わる」品質か
2つ目は英語コンテンツの中身です。文法的に正しい英語と、見込み客に伝わる英語は別物です。
日本語サイトをそのまま英訳すると、構成まで日本語のままになります。創業年や沿革から始まる会社紹介、「高品質」「安心」「豊富な実績」といった抽象的な強みの列挙。日本のビジネス文脈では自然でも、英語圏の読者が最初に知りたいのは「結局、自分に何をしてくれる会社なのか」です。それが最初の数秒で読み取れないページは、閉じられます。
英語コンテンツの品質を測る物差しは「原文に忠実か」ではなく、「読み手が次の行動を起こせるか」です。
また、日本では説明不要の前提が海外では通じない、ということもよくあります。商習慣、規格、納期の感覚、価格の書き方。原文にないことを翻訳者は補えませんから、これは翻訳の前段階、つまりコンテンツ設計の問題です。
セルフチェック
- 英語トップページの最初の一画面だけで「誰向けの・何のサービスか」が伝わりますか
- 日本語ページの直訳ではなく、英語圏の読者向けに構成や順序を変えた箇所がありますか
- 価格・納期・対応範囲など、問い合わせ前に知りたい実務情報が英語で書かれていますか
- 機械翻訳のまま、ネイティブまたはバイリンガルのチェックを通していないページはありませんか
- 日本語側だけ更新されて、英語側が古い情報のまま残っていませんか
3. 社内に海外対応の「受け皿」があるか
3つ目はサイトの外側、社内体制の話です。動線が整い、英語が伝わるようになれば、問い合わせは来ます。問題は、来たあとです。
英語の問い合わせメールを誰が読み、誰が返すのか。返信までの目安は何営業日か。時差のある相手とのミーティングは誰がどの時間帯で受けるのか。見積書や契約書の英語版はあるのか。決済は日本円のみか、海外からの支払いに対応するのか。
このあたりが決まっていないと、せっかくの問い合わせへの返信が1週間後、ということが起こります。海外の見込み客は複数社に同時に声をかけているのが普通ですから、初動の遅れはそのまま機会損失です。
セルフチェック
- 英語の問い合わせが今日届いたら、誰が・何営業日以内に返信するか決まっていますか
- 英語での商談(ビデオ会議)を任せられる人が、社内または外部にいますか
- 見積書・契約書・請求書の英語版の雛形がありますか
- 海外からの支払い方法(通貨・決済手段)を決めていますか
- 担当者が不在のとき、英語対応が止まらない引き継ぎ先はありますか
すべてを内製する必要はありません。最初は外部のバイリンガル人材を都度使う形でも十分です。大事なのは「来たらどうするか」を着手前に決めておくことです。
順番を間違えないこと
3つに共通するのは、どれも広告費をかける前に直せる、という点です。動線が切れたまま広告を出せば、クリック費用だけが消えていきます。英語が伝わらなければ、訪問者は問い合わせまで進みません。受け皿がなければ、問い合わせが来ても成約しません。
逆に言えば、この3つが揃っていれば、海外展開の初期投資はかなり小さく始められます。完璧である必要はありません。まず現状を正確に把握して、穴の大きい順にふさいでいく。それだけで打率は変わります。
HGGCでは、上記のような観点でウェブサイトと問い合わせ動線を点検する「海外展開ファーストチェック」と、価値提案・英語コンテンツ・信頼要素・CTA・グローバル対応・モバイルUXの6軸で現状を可視化する「レディネス診断」を提供しています。セルフチェックで気になる点が見つかった方は、お問い合わせからお気軽にご相談ください。サービスの詳細はサービス一覧にまとめています。
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